【11月ワーク】
キリスト教式
キリスト教式
キリスト教は大きく分けて、カトリック(ヨーロッパに多い)とプロテスタント(アメリカに多い)の2つの宗派に分かれており、
それぞれ概要や結婚式に関するルールなども異なる。
●カトリック
・新郎新婦のどちらか一方が信徒でないと挙式を挙げることができない
カトリックは伝統を重んじる規律が厳しい宗派のため、離婚を認めていない。
カトリック式の結婚式を挙げられるのは“初婚”のみで、死別以外の理由で再婚の挙式を行なうことはできない。
・祭壇の十字架にキリストがはりつけられているカトリック教会にて結婚式を挙げる
・バージンロードが「深い愛情」を意味する深紅か、「希望」を意味する緑色
・カトリック教会で挙式するためには、事前講習を受ける必要がある
講習の内容は、主に“宗派”に関する理解や、“結婚”や“夫婦とはどんなものなのか”について学ぶ
●プロテスタント
・信徒以外でも教会にて挙式を挙げることが可能
・街の教会やホテルや結婚式場にあるチャペルに牧師を迎えられることで、挙式を挙げることができる。
・カトリックの場合は死別以外の理由で再婚の結婚式を挙げることはできませんが、プロテスタントは離婚理由など状況によっては再婚の結婚式も行なえます。
・祭壇の十字架がシンプルであり、十字架にキリストは貼り付けられておらず、内装は簡素なつくりで、絵画や偶像が置かれていないところがほとんど
・バージンロードが、清楚な白。豪華なカトリックの教会と比べて、洗練された雰囲気
●共通事項
・費用
キリスト教式の結婚式を挙げる場合は、教会に払う費用を“献金”と呼ぶ
教会にとって結婚式はビジネスではないため、結婚式に関するお金は信者が自発的に捧げるお金と考えられている。
自発的に捧げるものなため、教会によっては明確な金額を設定・公開していないところもあるが、一般的な相場は約10~20万円程度。
・衣装
教会で結婚式を挙げる場合は、基本的に肌の露出が控えめな衣装が望ましいとされている。
中には、肩の見えるデザインのドレスはNGという教会もある。
・バージンロードを踏まない
欧米では昔、教会の床下に悪魔が潜んでいると考えられていたため、教会の床に布を敷いくことで花嫁を悪魔から守っていたという言い伝えがある。
このように教会のバージンロードには結婚式において特別な意味があるため、ゲストは立ち入らないのがマナー。
●流れ
列席者入場
祭壇に向かって右が新郎側。左が新婦側の列席者の席と決まっている。
そして、前から父母、兄弟、親族、友人の順に座る。
↓
司式者入場
列席者一同は起立。挙式の司式者である牧師(神父)が入場。
↓
開式の辞
司式者である牧師が開式を宣言。
↓
新郎の入場
列席者一同は起立。新郎が入場し、聖壇前で新婦を待つ。
↓
新婦の入場
新婦は父親と入場、新郎の横に進みます。
新郎は新婦父から新婦の手を受け取って腕を組み、並んで祭壇前へ。
↓
讃美歌斉唱
全員起立したまま、一同で讃美歌を歌う。
このとき唄うのは「312番(祈祷)」が一般的。
「いつくしみ深き 友なるイエスは」で始まる曲。
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聖書朗読・祈祷
司式者が聖書の中から婚姻にふさわしい愛の教えを朗読し、神に祈りを捧げる。
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誓約
「・・・あなたは、この結婚を神の導きによるものだと受け取り、その教えに従って、夫(妻)としての分を果たし、
常に妻(夫)を愛し、敬い、慰め、助けて、変わることなく、その健やかなるときも、病めるときも、富めるときも、
貧しきときも、死が二人を分かつときまで、命の灯の続く限り、あなたの妻(夫)に対して、堅く節操を守ることを約束しますか?」
という司式者の問い掛けに、最初に新郎、次に新婦が、「はい、誓います」と約束。
↓
指輪の交換
ふたりの婚姻の誓約を目に見える印として、指輪を交換します。
新郎から新婦、新婦から新郎の順に、相手の左手薬指に指輪をはめる。※正教では右手の薬指にはめる。
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ベールアップ
婚姻の誓約を立てたことで、ふたりを隔てるものがなくなったことを表すため、新郎が新婦のベールをあげ、誓いのキスをする。
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結婚宣言
司式者が、神と列席者の前で、ふたりが神の名の下で夫婦となったことを宣言。
↓
結婚証明書に署名
新郎新婦、続いて証人、もしくは司式者が結婚証明書に署名。
※この結婚証明書に法的効力はありません
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結婚成立の報告・閉式の辞
司式者が婚姻が成立したことを列席者へ報告し、滞りなく式が終えたことを伝える。
↓
退場
新郎新婦は腕を組んでバージンロードを退場します。その後、司式者が退場して、挙式は閉会。
●神父と牧師の違い
神父とは司祭への尊称で、カトリック教会の役職の1つです。
神父(司祭)は、この組織の中で神聖な仕事をする聖職者としてミサ(礼拝集会)を行ったり、
信者に洗礼を授けたりするなどの権限と地位を与えられています。
原則的に結婚を禁じられており、女性は神父になることはできません。
牧師とは、プロテスタント教会の教職者を指します。
主な仕事は、礼拝の執行、信者の指導など神父と共通していますが、聖職者とはとらえられていません。
この点が神父と大きく異なります。
そのため、牧師は一般の信者と同じく、結婚することができ、
また、宗派によっては、女性も牧師になることができます。
●歴史
キリスト教の信者が教会で式を挙げるようになったのは、11世紀頃と言われている。
元々、西洋では神の前で結婚を成立させることにより、祝福を受けながら自立した生活を営むことを目的としていた。
ウエディングドレスは19世紀にイギリスのヴィクトリア女王が着用したことがきっかけで広まる。
日本で現在行われているキリスト教式の結婚式は、キリスト教徒の結婚式を模した結婚式である。
信者でないカップルは本物の教会ではなくチャペルなど教会”風”の建物で行う。
日本にキリスト教式の結婚式のスタイルが伝来したのは、フランシスコザビエルによって日本にキリスト教が伝来した戦国時代には、
すでに教会での結婚式は伝わっていたのではないか?と考えられています。
ですが、実際に日本人が教会式を挙げた一番古い記録が残っているのは明治6年。外国人牧師と結婚した女性だったと言われている。
以下引用 「ブライダルサービスとキッチュ―わが国のキリスト教結婚式とウエディングチャペルに注目して―今井重男」
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「政府の方針転換を知った欧米のキリスト教各派は,教勢拡大のため極東の新開地へこぞって宣教師を送り込む。
そして都市部を中心に教会を開設し,各派典礼に則って宗教儀式を行うようになった。
では,いつから教会で結婚式が挙行されるようになったのだろう
か。教会で行われたと明言していないが,前掲『明治事物起原』の〔新式結婚數様 (七)
歐式婚禮にて嫁入る〕に
「明治六年十月三日,長崎県榎木町出生磯部お平と云う十六歳の少女が,同地在留の支那人ペンテクといふ者に嫁入れり,
ペンテクは,シンガポール生まれなるが,英国に入籍せし者にて,其婚儀は,英国風なりし,日本婦女が欧州風の婚礼にて嫁入りしは,
これが皮切り也とヘラルドの抄譯一五六号に見えたり」(石井,1996:109)の記述が読める。」
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