【12月ワーク】

組紐とその歴史

概要
組紐(くみひも)とは、日本伝統の工芸品で、細い絹糸や綿糸を組み上げた紐。編み物や織物と同じくテキスタイル技術の一種で組物に分類される。
・四角い「角打ち紐」
・リボン状に平たい「平打紐」
・丸い「丸打紐」
3種類に大きく分けられる


歴史
○縄文時代
現在に残る最古のものは縄文式土器の文様の紐状圧痕に組紐の組織を見ることができます。
○古墳時代
埴輪の服飾に簡単な組織の組紐この事より古代の人々は衣服に組紐を用いたことがわかります。
○飛鳥・奈良時代
仏教の伝来とともに優れた技術の組紐が渡来する「唐組」「高麗組」などに代表されるように
中国大陸の影響を受けた高度な技術の組紐が作り出される。
○平安・鎌倉時代(初期)
大陸からの技術に日本人的な洗練さが加わり色彩・意匠が繊細優美なものとなり我が国独自の技術と相まって質的に最高点に達し組紐の一時代を築く。
○鎌倉(末期)・室町時代(初期)
武家社会における戦国時代へと進むにつれ組紐の普及・実用化は拡大されるが、
それらは主に武具の付属品として使用されるようになり、色彩も落ち着き実用性が重視された。
○室町・安土桃山時代(末期)
禅や茶道・華道が隆盛した影響を受け、装飾用組紐が多く用いられる。
○江戸時代(初期)
組紐の用途の中心は武家階級の武具用としてのもので、このころ細工職人・打紐師など組紐の技術者としての定職的なものが発生してきた。
○江戸時代(中期)
このころ組紐を用いた組帯や武士の道中着を工夫した羽織が使われ、その胸元を飾る組紐が用いられた現在の羽織紐である。
○江戸時代(末期)
このころ和装の帯が現在の形となり、江戸深川の芸妓たちが好んで着けた、
太鼓結帯の流行とともに帯締め・帯留めが用いられ、庶民の中にも普及浸透していった。
○明治時代
1876年の廃刀令により、それまでの武具用の組紐の需要が激減し和装品としての羽織紐・帯締めの製造に転換し継続された。

現在
組ひもは、日本の伝統工芸としてだけでなく伝統工芸と西洋文化の融合が図られる事例もあり、
アメリカのスポーツブランドナイキはスポーツ・シューズのストリングの紐に伝統的な平打ちの組み紐の「三分紐」を採用した。
この話を受けた京都の老舗 組み紐店は、伝統の維持と、前例のない事からこの話を一度は断るが、後に承諾、画期的なシューズは2001年に発売された。
また、大ヒットアニメ映画「君の名は。」で「組紐」がストーリーの鍵になり、静かなブームを起こした。